エルサレム独り旅(45)

 天然の要塞マサダは死海南部沿岸から約4km西の荒野に屹立している岩山である。四方が高さ 400mの絶壁で頂上は平坦な台地である。周囲の砂地が長年の風雨で削り流されたような地形である。

 マサダの東側の大きな谷の向こう側はマサダと同じ高さのユダの荒野の台地がへブロンまで続いている。死海の水位が現在より数百mも高かった頃に侵食されて、この巨大な岩の部分だけが残されたのかも知れない。

 マサダの西側(死海に面した方)は日光や風で岩が少しづつ砂礫化して崩れ落ちたのが積もって絶壁を覆って少しなだらかな斜面を作っている。私は今、この斜面につけられた小道を登っているのだ。

 かってサウル王に追われて逃亡生活を送っていたダビデがユダの荒野を巡っていた時に
留まった要塞の一つがこのマサダであったとも伝えられている。後にヘロデ大王がここを自分の要塞としてサウナ付きの宮殿に大改築し現在はその廃墟が残されている。

 現在はロープウェイで頂上に行ける。息をハアハア言わせながらようやく、そのロープウェイの駅まで辿り着くことが出来た。そこからは階段を少しづつ上って行くと頂上に到達できた。