エルサレム独り旅(46)

 マサダの頂上は細長いグランドのようで、周囲は低い壁で囲まれている。北側にはサウナなどの施設跡が残され、その下にはヘロデ大王宮殿跡もある。南側は中央辺りから一段低くなっており南端近くにも建物の壁跡が残っている。

 少し時間があったので周囲をゆっくり一周して見て回った。未だ日の出前なので辺りは薄暗い。東側の中央辺りを歩いていると、死海対岸の(旧約時代の)モアブの山並からオレンジ色の朝日が昇って来た。あまりに美しい光景であったので何枚もカメラに収めた。

 モアブの山から昇る朝日は4千年前のアブラハムも、3千年前のダビデも見たかも知れない。太陽が昇ってしまうと暑くなるので、その前に急いで下って降りる事にした。日差しは見る見る強くなり地表に着いた時には日陰を捜さなければならなかった。集合場所に着くと2台あった車が1台しかなく、次の場所へは1台の車がピストンして2隊に分かれて送るという。私は後発に回され、かなり長い時間マサダの下で待たされた。

 車が来たのは8時過ぎ、次に向かったのはエンゲディの死海の海水浴場であった。9時に着いて海水浴。私は水着を持参していなかったので、記念の小石を拾い集めていた。続いて直ぐ近くのエンゲディ国立公園に行った。入場ゲイトで8.5シェケルを支払って入園した。ここでは11時半まで自由見学ということだ。