再びキブツ生活(23)終

 私はヒレルに自説を述べてから、求めつづける心をもって聖書を読めば必ずそこに語られてあるメッセージが理解できるようになる。異邦人である私が信じているのだから、ユダヤ人であるヒレルは更に理解は容易なはずだ。何故なら、タナフ(旧約聖書)はすべて、あなたの先祖であるユダヤ人によってヘブライ語で書かれているのだから、と言って彼を励ました。

 彼はヨハナンと同じく菜食主義者であると語った。そのようになった理由は、彼がヨーロッパを旅行していた時、所持金がなくなって、肉が食べられなくなってしまった。そこで仕方なく安価な野菜を食べて空腹をしのいでいたのだが、それまで怒りっぽかった自分、いつもイライラしていた自分が心安らかで穏やかになったからだという。

 確かにヒレルは若く外見は精悍そうに見えるのだが性格はいたって温厚だ。私に対しても「よしかわさん」と優しく呼びかけるのだ。これらの他にもヒレルとはいろいろな会話を交わすことができた。

 この後、食堂へ行くとドフ氏に出会ったので、今日で作業は終了したこと、明後日に妻が来ることを伝えた。するとドフ氏は「今はエジプトやヨルダンにも自由に行けるが、行く予定はあるのか」と尋ねたので私は「言葉(英語)がダメなので難しい」と答えた。

 8/10(水)妻を迎えるために部屋の掃除などかなり重労働をした。ヨハナンに明早朝空港への迎車を再確認をした。