前回「キブツ在住のユダヤ人は聖書を読んだこともなく、よく知らない」と書いたが、LCJEニュース4月号に次のような記事が掲載されていたので一部転載させていただく。“それは敬虔なユダヤ人の間にさえ、旧約聖書のいろいろな部分が全く知られていないということです。ユダヤ教は一般教徒が個人で聖書を読むことを奨励しませんのでシナゴーグでの朗読が唯一、聖書を知る手段となります。”(C. クリンゲンスミス)。
キブツ在住のユダヤ人のほとんどは安息日や祝祭日にそのシナゴグに行く人はほとんどありません。ですから、ほとんどのユダヤ人は、旧約聖書を自分で手に取って読んだことがなく、敬虔なユダヤ教徒でさえそうなのだというのです。
敬虔なユダヤ教徒とは安息日を守り、安息日にはシナゴグ (ユダヤ教会堂)に行って毎週礼拝をささげている人のことです。その上、シナゴグで朗読される旧約聖書はトーラー(モーセ五書)は全部ですが、他の書は一部だけです。
そのような訳ですから旧新約聖書を何度か通読しているキリスト教徒は、ほとんどのユダヤ教徒よりも旧約聖書に精通していることになるのです。ユダヤ人と聖書の話しをしても、うまくかみ合わないのも、このような事情があったわけです。