最後の2週間(29)

 昼食を終えた私たちは、全てを任せてヨハナンの導くままに車で移動した。折角ベエルシェバまで来たのだから”アブラハムの井戸”と呼ばれている(創世記 21:25-31)史跡を是非とも見たかったのだが、そこには立ち寄らず国道60号線で進路を北東に向けた。

 直ぐ右側に古代遺跡テルベエルシェバがあり、現在も発掘中とのこと。BC12世紀以降イスラエルがヨシュアによってカナンの地に定着(ヨシュア記 19:1,2)以後の城壁、住居、巨大な祭壇、深さ 40mもある井戸(雨水溜め)などが発掘されている。

 そこを素通りして荒野に進んで行くと所々に野生の鹿が歩いていたり、ベドウィンの天幕が見られる。10km 少々走るとショケットジャンクションがあり、そこを右折し、国道31号線を東に向う。それから 25km程行くと左側の遠方にテル・アラッドの茶色の丘が見えてくる。

 ここもヨシュアが率いるイスラエル軍が征服したカナン人の町であり(ヨシュア 12:14)、ここにはモーセの義兄弟ホハブの子孫が定住したことが士師記に記されている(1:16)。そこから10km東に進むと現在のアラッドの町がある。

 この町はまだ新しく 1961年にユダヤ人の若者たちが入植したのだという。ベエルシェバとアラッドには主イエスをメシヤとじるユダヤ人会衆が集会をしているが、ユダヤ教徒から激しい妨害活動が起こっている事が知られている。

 アラッドを通過して暫く走るとハトゥルリムの三叉路に差し掛かるが、更に東へ直進すると、海面下 400mの死海に向けて道は下りはじめる。死海まで約 15km、その標高差は 900mもある。