カルメル会修道院総本山の大会堂はカルメル山最北西端(海抜150m)に位置しており、預言者エリヤとエリシャが居たと伝えられる洞窟の上に建てられており、その洞窟は聖堂奥の祭壇後方にある。この聖堂は入場が自由で祭壇後方の洞窟内にも自由に入れる。
私は二度目の訪問だが入口にも会堂内にも誰も居なかったので自由に見学できた。預言者エリヤもエリシャもカルメル山を活動拠点の一つとしていたので、この洞窟を寝床としていた可能性は充分あると思う。
この会堂を出て道路を渡るとカルメル山の最北端にあるケーブル駅があり、又展望台になっている。眼下にはハイファの町と港が見え、正面には地中海が水平線の彼方まで見渡すことができる。
バアルの預言者たちとの勝負に打ち勝ったエリヤがカルメルの頂上に上り、地にうずくまって祈り、雨の到来を主に願ったのはこの場所ではなかったか、と私は直感した。従者がエリヤに「手の平ほどの小さい雲が海の彼方から上って来ます」と言った(列王記上18:44)記事の情景はカルメル山北端のこの辺りが最も相応しいからである。
カルメル山上から海の彼方を最も見渡されるのがここである。因みにバアルの預言者と戦った場所はここから南東 15kmのムフラカの高台(海抜 482m)とされ、そこにはエリヤの石像が立てられている(私は写真でしか見ていない)。是非行って見たかったが夕方になっていて時間に余裕がなかった。