ベタニヤからエルサレムに戻るためにタクシーの利用を決めた私たちは、土産物店主に教えてもらった通りに、店の前の道を東へ下り、マルタとマリヤの教会堂の前を通ってエリコとエルサレムとを結ぶ街道に出た。道幅は広いが舗装されていない。道路の向う側(東側)は死海の谷まで続く傾斜地ですぐ先は崖である。
そこで待っているとすぐにエリコ方面からタクシーが通りかかったので、止めて行き先を告げ料金を尋ねた。すると「40だ」と言う。1400円だ。高いので値切るとダメだと言うので断った。次のタクシーも同様だった。両方ともイスラエルのタクシーである。
日本だと1メーターか2メーターの距離なので高すぎる。次に来たタクシーはパレスチナナンバーで運転手もパレスチナ人だった。イスラエルナンバーのタクシーと同じベンツの9人乗りである。運転手に料金を聞くと、やはり「40」という。
そこで、「あそこの店の主人が 150アゴロットで行けると言っていたのだが」と言うと、「それでいい」と言うので私達は喜んでそれに乗り込んだ。タクシーは 100m程走ると或る建物の前で止まった。
するとその建物からさっきの土産物の店主が出て来たではないか。彼は「私はこの仕事もしている」と言った。彼はタクシー会社のオーナーでもあったのだ。帰国後に知ったのだが彼はこの村の名家の人で、米国に移住した彼の兄弟が「ベタニヤ村の人々』を著し、日本語にも訳されていた。