最後の2週間(10)

 男の子が投石してきたこの辺りの村落は 2000年前ベトファゲと呼ばれていた村である。エルサレムに入場される主が子ろばを調達した村として知られている(マタイ 21:1,2)。

 このエルサレムとベタニアを結ぶ道は、主と弟子たちが度々歩いたことがほぼ確実だと私は思っている。この道のすぐ右下側にある深い谷と遠方のベツレヘムを見渡す光景は今も昔もほぼ変わらない眺めではないだろうか。

 山腹のなだらかな坂道を数分下ってゆくと、道は弧を描いて右に曲がっている。その辺りまで来ると道添いの左側にベトファゲコンヴェントと英語で書かれた大きな鉄の扉が構えている。それでここがベトファゲであることを実感させられられるのだ。

 道はそのまま南東方向へ下って行くのだが、左(東)側に抜けてゆく脇道がある。この分岐点は前方にある小高い丘を避けるように分岐しており、その丘の上に赤い屋根を持つ横長の教会堂が建てられている。ここが以前書いたように主の昇天場所ではなかったか、と私は考えている(ルカ24:50,51)。

 私たちは左側の細い脇道を通ってベタニヤ村を目指した。その道は右側は教会の塀、左側は背の高い竹の雑木林で、真昼間でも薄暗く、風で木の技が触れ合う音、私たちが踏み歩く砂利の音が大きく鳴り響く静寂とした空間であった。