最後の2週間(9)

 ベタニヤはマルタ・マリヤ・ラザロ姉弟、らい病人シモンの家があった村で、主イエスは度々訪れ滞在された村である(ヨハネ 11,12:1-8、マルコ14:3)。主の最後の週はこのマルタとマリヤの家で滞在されたと考えられるので、イスラエルに行く機会があれば是非とも訪ねてみたい所である。

 団体ツアーの場合は車でオリーブ山麓を半周して行くのだが、主が弟子達と共に歩いてエルサレムを往復された道を歩いてゆく経験は別格である。山頂の目抜き通りから東側へ抜ける細い狭い路地は両側が背丈よりも高い石壁に挟まれていて、地元の人に教えてもらわないと一旅行者には見つけ出すことは難しい。

 そこを抜けると前方は一気に開けて、エルサレムと裏側の景色が眼前に飛び込んで来る。この風景は17年を経た今でも私の脳裏に鮮やかに刻まれている。

 幅の広い砂利道は緩やかな下り坂で、右側に広がる遠方の景色を眺めながらゆっくり歩いていると、突然前方から男の子が駆け足で近づいて来て石を投げつけてきた。

 私たちは驚いて歩を止めると、男の子の背後から母親らしい女性が駆け寄ってきて、投石を止めさせてくれ、私たちに謝罪の仕種をし、男の子を連れて立ち去って行った。私たちは再び歩を進めた。