ツアーの人々との団体生活(5)

 「シェマア イスラエル アドナイ エロへヌ アドナイ エハッド・・・(聞けイスラエルよ 私達の神、主は 唯一の主・・・)」申命記第6章からの朗読だ。

 イスラエルではラジオ放送のはじまりと共に毎朝「あなたの神である主を心、魂、力のすべてで愛しなさい」(同6:5) と放送しているのだ。この放送はバナナ畑の作業の日は、毎朝聞くことが出来た。バナナ畑の責任者ヨハナン(ヨハネ)は信仰心を持っているので、彼自身がこの放送を聞き、私たちにも聞かせようとラジオのスイッチを入れてくれるのであろう。

 日本では、NHKのラジオやテレビのその日の放送終了時に「君が代」の演奏を放送していたが、同様にイスラエルでも毎夜12時、ラジオ放送を終える時に国歌「ハ・ティクバ」(希望)を放送している。

 キブツの住民が後に私に小さなラジオを貸してくれたので、それを聞いてから寝るのが楽しみの一つになった。その管弦楽による演奏が飛び切り素晴らしく、聞くごとに心打たれるのであった。ともかく早朝に厳かな聖書の朗読を聞きながら労働に赴くのは何と素晴らしい一日の始まりであろうか。

 それとは別にバナナ畑への道は舗装されておらず、ひどく揺れたり、眺ね上がったりするのには大いに開口させられた。