ツアーの人々との団体生活(6)

 バナナ畑の真中で車は停車した。左右が広大なバナナ畑で、その中央に真っ直な畦道が畑を貫いている。畦道と言っても道幅が3m以上あり、収穫作業用の大型トレーラーが通れるようにしてある。道の両側にはバナナの木がぎっしり植えられており、どれもが青青とした葉を繁らせている。

 前方を見ても後方を見ても、遥か彼方まで畑は続いている。それぞれの木には水色のビニールカバーがぶら下がっている。バナナの房をこのビニールで覆い、鳥や虫から受ける夜害を防ぐためである。

 バナナ畑はこの他にも何面かあるが、そこは弱ったバナナの木の林である。昨年の異常寒波と嵐のために受けた被害が広大であったため、一部の畑だけ手入れをして回復させ、あとはそのまま放置してあるのだ。

 さて、私たちが下車をしたそばに大きなトレーラーが置かれていて、その荷台の後方が開けられていた。今日の仕事はバナナの収穫、箱詰め(出荷のため)作業である。私たち日本人は全員トレーラーの中に入った。トレーラ一の奥には出荷用ダンボール箱がぎっしり積まれている。中央には机と計量器、そしてトレーラーの入口近くには水槽が二つ置かれてあった。水槽の水は温めてあった。

ヨハナンとバナナ畑