温水槽に浮かべられたバナナの房は選別され、一房4〜5本になるように小型ナイフでカットされる。そして隣の防カビ剤入りの水槽に入れる。私のこの日の作業はこの単純な作業であった。水槽の高さが私の身長では少し低かったので、少し前かがみ気味で作業をしなければならず、朝食前の立ち続け2時間の仕事は腰に負担がかかり、案外ときつい仕事であった。
選外品となるものは傷付いたもの、太くなり過ぎて変形したもの、黄色くなったものなどである。これらは捨てられるのではなく、キブツ住民の食用にされる。防カビ(殺菌)処理の水槽に入れられた房はすぐに引き上げられ一房ごとに「JAFFA BANANA ISRAEL」と書かれた小さな楕円形のシールを貼られ、大きな計量器の上に乗せられたダンボール箱の中にきれいに並べて入れられる。
決められた重量になると蓋を被せ粘着テープで固定し、コンテナの奥に積み上げてゆく。この繰り返しである。
最近日本に輸入されるようになったイスラエル産のスウィーティーにも、一個ずつに「JAFFA Sweetie ISRAEL」と書かれた小さなシールが貼られており、このシール貼りをこの日、S師がされた。このオーガニックバナナは割高だが、ヨーロッパに輸出されて人気商品だとヨハナンは何度も言った。