ツアーの人々との団体生活(16)

 いなご豆の木のある中央食堂の裏出入口の側から南に歩いて行き、大きな牛舎の裏手に行った。そして、そこに5〜6本まとまって生えている細長い幹の木の前に来た。その葉は楓の葉の形と大きさだが、楓よりも薄い。茎は真っ直に上に伸び5mほどの高さがあった。

 ヨハナンはこれを 「とうごま」と言ってから旧約聖書ヨナ書を開いて読んだ(4:6~10)。S師はそれに続いて日本語の聖書を開いて同じ箇所を読んで下さる。それによると神がヨナのために生えさせたとうごまは一本だけである。

 一本だけでは、たいした日陰はできないと思われるが、灼熱の地ではそれでも貴重な日陰なのであろう。この時は3月初めであったが真夏では木の様子も異なっているのかも知れない。ヨナ書では一夜のうちに育ったと書かれているが、これは奇蹟である。

 この木もキブツのあちこちに生えていた。帰国して後に知ったのだが、この木は日本でも古くから栽培されていて、この実から下剤のヒマシ油が作られている。生駒めぐみ教会の庭にも1mほどに育った「とうごま」があり、見ることができる。

とうごまの木