最初のヘブライ語会話講座が終わったのは夜10時半であった。夜更けのキブツ内を歩いてキャビンに向かう。警備のために灯火が煌々と輝いているので夜空の星は少ししか見えず、月は寒々と光っている。
ベッドにもぐり込んでも静寂に包まれることはない。シャロンの野は眠りこけることがない。隣地の工場は夜通し操業していて、その機械音がズンズンと響いてくるし、国道を行き交う車も音も絶えない。
滞在6日目(3月4日)は金曜日、この日の夕刻から安息日 (出エジプト記20:8~11)に入るので労働はキブツ住民もヴォランティアも正午をもって終了する。この日の作業は早朝はバナナ出荷用ダンボールの組立、朝食後はバナナ畑の手入れ(除草等)であった。
この日の午後は作業服や下着などの洗濯である。キャビンの炊事用流し台で、固形石けんによる昔ながらの手洗いである。キブツにはちゃんとランドリー工場があり、週一度洗濯物をネットに入れて出せば夕刻には戻ってくる。全て無料なのだが、私は、そういうシステムがあることすら知らなかった(後日、知ることになる)。