ツアーの人々との団体生活(35)

 モーセの律法では安息日の規定を守らず、この日に仕事をする者があれば殺されるか、イスラエルの民から断たれると定められている(出エジプト記 31:14,15)。現代のイスラエルやユタヤ人社会では、違反したからとて罰せられることはない。

 私の滞在中にも、急な注文が入って安息日にバナナの収穫、発送作業をしたことがある。外国人ヴォランティアだけでなくヨハナンも共に働いた。

 さて、安息日を迎えるタベの儀式であるが、通常は家庭では女性がこの儀式を行う。男性はシナゴーグ(ユダヤ教会堂)へ行くからだ。しかしキブツでは、シナゴーグに行く人はいないので(距離の関係で移動が不可能なため)ヘレナの家では夫のアミーカムがローソクに点灯し祈ったのである。

 2本のローソクの意味は、一つは「安息日を覚えよ」(同 20:8)、もう一つは「安息日を守れ」(申命記 5:12) を示しているのだという。2ケのパンは安息日の前日にイスラエルは2日分のマナを集めたことを思い起こすためのものである(出エジプト記 16:22~20)。

 一般家庭では妻が祝祷を唱えた後、夫の帰りを待ち、夫の帰宅後、家族がテーブルに着席し、夫がワインの杯の上に手を置いて「キドゥーシュ」という祈りをして夕食が始まるのだ。